始まりの出来事

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    しばらく呆然としていた。 気付けば友人もいなくて、またまいってしまった。     "アイツら、人が事故ったってのに… なんか、悲しくなってきた…"     自分に対する友人の態度に少しショックを受けた陸だったが、それより問題があった。     "どーしよ…。 誰かに拾って貰うか…?"     今は猫で、しかもお世辞でも綺麗とは言えない姿である。   道行く人にすりよって鳴いてみたが、 逃げるか無視か、頭を撫でて行ってしまう。   夜も遅くなってきて、人通りも少なくなってきた。 陸はもう鳴くのも億劫で、ただ座って道行く人を眺めていた。    
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