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「じゃあ早速、今日連れてってくれ」
「判ったわ。沙羅にも伝えとくから…頼むわよ」
そう言って霞は保健室から出ていった。
「って俺、手錠から開放されてないんだけど!?」
俺が手錠から開放されたのは放課後になってからだった。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「…2人共、準備は良いか?」
俺は霞家の家の前に立っていた。
霞が沙羅の手を握っていて、不安な様子が垣間見える。
「…心配するな。お前は意志を強く持てばそれでいい。
大変な事は俺に任せておけ」
俺は沙羅の頭に手を置いて落ち着かせる。
「…じゃあ…私がインターホン鳴らすわね」
「…頼んだぞ」
霞がインターホンを押すとポーン♪と明るい音が聞こえる。
だが俺達には戦いの銅鑼に聞こえた。
『雛?インターホン鳴らしてどうしたのかしら?』
少し軽く高い声。恐らく母親だろう。
「あのね…お母さん、お父さん居る?」
『居るわよ。どうしたの?』
霞は一度息を呑んでから言葉を繋いだ。
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