3章

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「じゃあ早速、今日連れてってくれ」 「判ったわ。沙羅にも伝えとくから…頼むわよ」 そう言って霞は保健室から出ていった。 「って俺、手錠から開放されてないんだけど!?」 俺が手錠から開放されたのは放課後になってからだった。 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 「…2人共、準備は良いか?」 俺は霞家の家の前に立っていた。 霞が沙羅の手を握っていて、不安な様子が垣間見える。 「…心配するな。お前は意志を強く持てばそれでいい。 大変な事は俺に任せておけ」 俺は沙羅の頭に手を置いて落ち着かせる。 「…じゃあ…私がインターホン鳴らすわね」 「…頼んだぞ」 霞がインターホンを押すとポーン♪と明るい音が聞こえる。 だが俺達には戦いの銅鑼に聞こえた。 『雛?インターホン鳴らしてどうしたのかしら?』 少し軽く高い声。恐らく母親だろう。 「あのね…お母さん、お父さん居る?」 『居るわよ。どうしたの?』 霞は一度息を呑んでから言葉を繋いだ。
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