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「君に私の何が判る!」
「んなもん知るか、馬鹿野郎」
仁さんの鋭い見幕も俺は睨み返し一蹴する。
そんな生易しい脅しなんて無いのも同じだ。
「俺はアンタの事情は知らないし知ろうとも思わない。
俺は沙羅を助けたいんだよ、アンタの理不尽から沙羅を救う為に俺はアンタと話しているんだよ!」
今度は俺がテーブルに手を叩きつけて立ち上がった。
そして霞一家が怯えるのが目に見えた。
「話を聞く限りアンタが沙羅に圧力をかけて追い出した感じしか無いんだよ!!」
俺は仁さんの胸ぐらを掴んで引き寄せる。
仁さんは少し怯えるような表情を見せるが俺は容赦無く言い続けた。
「アンタは知ってんのか!?雛さんが沙羅を出来るだけ助けようとして必死にアルバイトをして身体を壊しかけているのを!!
沙羅は身寄りが無くて漫画喫茶などを転々としながらなんとか生き永らえているのを!!
アンタはそれを知ってんのかよぉ!!!!」
俺が本気で叫ぶと霞宅に静寂が響き渡った。
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