3章

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霞沙羅視点 放課後、私は自分の教室で1人である事を思い出していた。 私が中学時代、霞沙月(カスミ・サツキ)と呼ばれていた時の頃に私は…いや、僕は推理さんと出会った。 僕は、その時から誰にでも優しく強い推理さんに憧れていて…誰よりも近くに居たい存在と化していた。 だから僕は2年性になった時に留学を理由として渡英して…性転換の手術を受けた。 そのせいで家族に迷惑をかけたが、推理さんが助けてくれて今の僕がここに居る。 だから…僕は夢を叶えてみせる。 推理さんと添い遂げる事を。 「…僕を私に変えてくれたあの人の期待にも応えなきゃね…」 そして、僕は純粋に何も訊かずに手術を実行してくれた先生を思い出す。 ふと、その時はあまり頭が回らず訊きそびれた事が有るのを思い出した。 「僕の担当医は…タツモトリンリ…って名前だったけど…推理さんは愛理さん以外に兄弟は居たっけ?」 それについて暫く考えていたが結果は出なかったので置いておく事にして、私…いや、僕は教室を後にした。
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