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「……あっ…あの…光?」
あまりの光の恐ろしさにたじろいでしまう。
ハッキリ言って、光は怒っても迫力は無く、寧ろ愛嬌が有るように見えてしまう。
だが今の光には、そんな面影は皆無で、今の光は憎悪に満ちていてアイドルという言葉からかけ離れていた。
「………ちっ…あの小娘…っ!」
光が苦々しい表情で毒を吐く様に舌打ちをする。
そして光の目に輝きが段々消え始めてくる。
それを危険信号だと感じた俺は即座に光の肩に手を置いた。
「…光?…光!」
俺が肩に手を置き揺さぶると、光の目に光が戻る。
「…あっ…」
「大丈夫か!?」
俺は光を引き寄せ、目と目を合わせる。
「はい…」
光は力無く、何かに躊躇うように顔を逸らして返事をする。
「…光、一体何があったんだ?」
「…それは…その…」
光は目を伏せながら…途端に涙を流しだした。
「………光…」
「………大丈夫です、私に話させてください…」
光はそう言うと涙を拭き取り、その後が残る顔で話しだした。
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