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『…羽鳥光さん、これは何の真似ですか?』
俺が光の携帯に耳を近付けると、テレビで聞いたことがある声が聞こえてくる。
間違いなく柊百合だと確信した俺は光に目配せをして話すように進めた。
「…柊、流石にそれ以上しつこいと警察に通報するわよ」
『ふざけないでください。私が積み上げてきたものを先輩は壊すつもりですか?』
「そんな台詞、私の人生を崩壊させたアナタが言える立場じゃないと思えるんだけど?」
『でも逃げたのは先輩ですよね?』
「逃げるのも幸せを手に入れる1つの手段でしょ?」
『臆病者ですね』
「傍若無人よりはマシと思うんだけど」
柊百合が毒舌で牽制すれば光も毒舌をもって牽制してくる。
これ程までに高度な口喧嘩は、今まで見た事が無かった。
「あのさ、アナタからしたら私はもう他人よ?関わらないでくれない?気持ち悪いレズストーカーさん。名前にも百合って入ってるからお似合いですよ」
「だったら先輩は光って名前なのに闇に侵食された愚か者ですね。お似合いですよ」
…おい、怖いんだけど。
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