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「今日は朝からお客様が一杯ね。私も張り切っちゃうわよ♪」
すると母さんが山のように飯が盛られた茶碗をハジメの前に置く。
「亜利砂さんありがとうございます」
「良いのよ。ハジメ君、お代わりならまだ沢山有るから言ってね♪」
そう言うと、楽しそうに母さんは台所に戻っていく。
そんな母さんを眺めていると、俺の肩にチョンチョンと指でつつかれる感覚がした。
その方向を見ると光がそこに居た。
「光、どうしたんだ?」
「いえ、大した疑問じゃないんですが…亜利砂さんって凄く見た目が若いですよね?」
…確かによく言われる。
事実、中学時代は年の離れた姉と教師にも間違われてしまう程だ。
「何か美容の秘訣とか有るのですか?」
「母さん曰く『生姜』らしい。詳しい事は俺も愛理も知らん」
「うん、ついでにこの事はお父さんも知らない。まさに、お母さんのトップシークレットなんだよねぇ」
「…怖いと思わないんですか?」
「「別に何も感じないけど?」」
俺と愛理がユニゾンで言うと、光はそれ以上は何も言えなくなったのか苦笑いしただけだった。
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