始章

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3年前━━━━冬 ある日のクリスマス、俺、中学1年の立元推理は学ラン姿で街を歩いていた。 「ふぅ…今日でやっと冬休みになったなぁ…」 世間の大半の学校は一昨日から冬休みなのに…何で俺の学校はクリスマスからなんだか…。 まぁ、彼女無しの俺にはどうでも良いんだけどね。 「しかし…ホワイトクリスマスって…意外に綺麗だなぁ…」 兎に角、家に帰ってケーキ食って寝るか。寒いの嫌いだし。 暫くは黙々歩き続けていると近所の公園に到着する。此所を通り抜けると近道なのだ。 「…ヒック…グスッ…」 すると誰かが啜り泣く声が聞こえた。声からにして女子だな。しかも同年代の。 俺は啜り泣く声が聞こえた方向に顔を向けると、腰に届く程長い黒髪で、とても綺麗な顔付きの女の子がベンチに座っていた。 (………はっ、イカンイカン) 思わず見とれてしまいそうで、恥ずかしくなる。 すると少女は、此方の存在に気付いたのか顔を上げた。 顔全体を改めて見ると………ヤベェ………超可愛い………自重しろ俺!
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