1章

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「星海さん、光って何処かの有名な資産家の娘なんですか?」 「杪とお呼び下さい。そして違いますよ」 何だろう、ニッコリされながらやんわりと否定されると何か変な気分だ。 ………てか…何故か名前で呼んで下さいってお願いされたな…お嬢様っていつもこんな感じなのか? 「じゃあ杪さん、光の正体って?」 すると杪さんは光に確認をとるように目配せする。 そして同意するかのように光は頷いた。 「実は羽鳥光は、私の母が経営してる芸能会社の元アイドルでしたのよ」 …え? 「光、それ本当?」 光は躊躇いながらも頷く。つまり…自分は中一の時にアイドルと遊んだって事か…。 「…驚かないんですか?」 光がオドオドしながら尋ねてくる。 いや…驚くもなにも…。 「…何か不思議と落ち着いてる。自分でも訳分からないが」 「そっ、そうですか…」 何かもっと期待してましたって感じで光か此方を見る。 もっと『えぇ───!!!?』って感じで驚けば良かったのか? 「…何か不満だった?」 「いえ…やっぱり推理君らしいですね…」 …何故か落ち込まれた。
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