1章

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「もし、推理が成人になるまでに彼女が出来なかったり作ろうとしなかったら…その時は推理を渡そう」 そう言われると父上が安堵する表情を見せる。 しかし私はまだ聞きたい事が、有ったのだ。 「父上、どうして…一般の御方に結婚の約束を頼んだのですの?」 「仙理はな、私にとっても信頼出来る存在なのだよ。お前は知らないと思うが…仙理は私の秘書であるんだ。」 「えぇっ!?」 質問して、間も無く答えられてかつ驚きの事実が伝えられた。 …ようするに、父上が一番信頼出来る人に頼んだのですね。 「この事は推理が成人するまで黙ってるつもりだ。アイツにも恋愛の一つや2つは学んで欲しいものだ。」 その言葉によって父上と仙理様の密談は終わった。 ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 立元推理視点 「…って事なんです」 …うわぁ…冷や汗止まらねぇ…。 「…マジで?」 「はい。本気と書いてマジと読みます」 「…そんな馬鹿な…」 「ですが事実です」 今日ほど俺の父さんを恨めしく思う日は無かった。
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