1章

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「……………」 俺はただ、どうする事も出来なくて茫然自失状態で立ち尽くしていた。 「はぁ…前から鈍感な男だなと分かっていたけれど…推理…重症ね」 するといつのまにか帰ったはずのエレンが光が飛び出していったドアから入ってきた。 「…エレン…」 「聞いてたわよ。アンタの馬鹿な発言を最初からね」 …つまり初めから居たのか。 「光はアンタの事を三年間も、会えると信じていながら待っていたのよ。 それなのにあんな無責任な事をよく平然と言えたわね。」 「………っ…」 心の底から悔しさが込み上げてくる。 だがエレンは、そんな俺の心情を知ってか知らずか、言い続けた。 「光が泣いたのは推理のせいよ。まさかそれが分からない訳じゃ無いわよね?」 「……………」 …何も言い返せない。 泣かせたのは俺のせいだって事は、心の底から承知している。 だが光が泣いた理由が分からないのだ。 「…んで、どうするの?」 「…えっ?」 「光の事どうするの?」 …そうか…兎に角、今は自分が出来る最高の事をしなければいけないか…だったら…! 「…追い掛けて謝る。今の俺は多分それしか出来ないから」
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