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羽鳥光視点
私はある場所━━━━━推理君との初めての出会いをする事になった公園にいた。
あまりこの地区の事については知らない為、必然的にここに来ていたのだ。
「…推理君の…馬鹿…」
私は呟きながらベンチに座る。
ふと、思い出す。私は撮影が嫌で逃げ出し、ここにやってきて…推理君と出会えたのだ。
そして次の日には事務所に有無を言わさず芸能界から去った。
その影には推理君の存在が大きく、彼のおかげで私は普通の学生に戻る事が出来た。
思えばクリスマスのあの日から私は推理君の優しさに━━━━━いや、全てに恋していたのかもしれない。
そう思うとまた涙が込み上げてくる。
3年間待ちに待ち、溜めてきた思いがここで潰えてしまうと思うと怖くて仕方無かった。
「光ぃ!!」
すると私を呼ぶ声が聴こえたので首を上げる。
そこには推理君が春だってのに汗だくで息を切らしながら走ってる姿が見えた。
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