1章

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「……………」 俺が茫然としていると光の背後に近付く一人の影が現れた。 「…やはり、羽鳥光様とは私の恋のライバルとなりましたか」 「…杪さん」 そう、影とは星海杪さんだったのだ。 「光様、私は引き下がりません。例え誰であろうと私は推理様を恋人にしてみせます」 「それは此方も同じです。貴女が名の有る資産家の社長令嬢であろうと、私は推理君が好きですから」 「うふふっ…そうで無くては、私としても張り合いがありませぬわ。」 「くすっ…それは私も同じですよ」 …お~い、勝手に進行させないで~。追い付けないよ~! 「あらら…兄さんも大変だね」 すると俺の後ろから愛理が現れた。 「…愛理も居たのか」 「まぁね。だけど光さんも勇気有るよね」 そう言うと愛理が、光と杪さんを見る。 「兎に角兄さんは2人の気持ちに答えてあげないとね」 「…そうだな」 俺は空を見上げる。 これからの俺は、悩み、苦しみながらも彼女達のどちらかを選ばねばならなくなった。 しかし、それでも頑張るとしよう。 それが俺を選んでくれた彼女達にできる唯一の事だから。
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