2章

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俺は腹部に強烈な傷みを感じる。 見ると腹部から赤い染みが出来ていた。 あ~…こりゃ刺されましたね。しかし痛いけど何か冷静だね俺。 後ろを見ると紫ヶ崎が震えながら腰を着いていた。 前を見ると不良達が驚愕の視線を向けている。 右側を見ると日宮先生を中心に光、杪さん、愛理、ハジメが目を開いている。 おいおい…驚き過ぎだって…少し笑えるぞ。 俺は何故か知らないが、口元に笑みが浮かんでくる。…あれ?段々視界が歪んできた? 床を見ると、血が床にまで滴り落ちていた。多分出血多量だね。 んで…俺を刺した当の本人は薄気味悪い笑み浮かべてるし、ハッキリ言って死に際に見るもんじゃねぇな。 つうか…俺余裕だな…普通腹を刺されたらパニックになりそうなんだけどな…。 そういや…まだ皆の告白に答えてないな…だったら最期は皆に向けて何か言うか。 「光…杪…恋…沙羅…あり…がとう…な…俺を…好きに…なって…くれ…て…」 そこで俺の意識は消えた。 皆が何か叫んでいたけどそれが俺に届かなかった。
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