2章

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「人間誰だって失敗する。大切なのはその失敗をバネにして前に進む事なんだ」 「…推理…」 紫ヶ崎が俺の胸に顔を埋めてくる。 そして片腕だけだが俺の背中に手を回してきた。 「お前は…本当に相変わらず優しいな…だからアタシは…お前が好きなんだ」 改めて言われると顔が暑くなるな…今の俺はリンゴ以上に顔が赤いだろう。 「でも…だから推理はモテるんだな…アタシ以外に3人居るなんて聞いてないぞ」 「あは…あはは…」 上目使いだがジト目でみられて苦笑いしてしまう。 だが紫ヶ崎は目を閉じて『フッ…』って静かに笑うとこう言ってきた。 「だが、必ず4人の内1人を選んでくれ。アタシはいつでも待ってるさ。 例えそれがアタシじゃなくても、返事をくれればアタシは充分さ」 …何か男前だな…紫ヶ崎って…。 「それよりアタシの事も恋って呼んでくれないか?…光も杪も沙羅も呼んで貰ってるらしいし…」 ………霞妹さんよ、あんた見栄張って嘘つくなよ…。 まぁ気絶する時言ったけどさ…。 「じゃあ…恋…よろしくな」 「あぁ…」 暫くこのままで居ると3人分の足音が廊下から響いてきた。
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