3章

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「ハイルさん。実は今日は貴女に頼み事がありまして…」 「頼み事?」 私がそう訊ねてみると、冴島は少し困った顔になる。 そして眼鏡を人差し指で押し上げてると話し出した。 「はい。僕はクラス委員長ですが…実は立元推理さんの事件の事がありまして…それで副委員長がまだ決まってないんですよ…」 …あぁ、LHRで委員長が決まった瞬間に日宮先生が涙目で教室に飛び込んできて、推理が大変な事になっていると聞かされ、推理が刺された後は全校生徒緊急避難になったせいでうやむやになったんだっけ。 私も錯乱気味ですっかり忘れてた。思わず納得してしまう。 「それでハイルさんに副委員長を…頼みたいと…思いまして…どうですか?」 冴嶋が頭を掻きながら申し訳無さそうに言う。 確かに…困ってる人は助けたい。けど………ね… 「でもどうして私を副委員長に頼みたいと思ったの?」 その意見を聞かないと私も同意しようがない。 その質問をぶつけると、冴嶋は少し困ったような表情を見せた。
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