3章

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「後が無いって…どういう事?」 尋ねると、冴嶋は自分を皮肉るような表情になる。 …何と言うか、ネガティブな感じよね冴嶋って…。 「…日宮先生に『委員長は男子だから女子に頼みなさい』って言われ…だけど女子に頼んでも悉く断られ…貴女が最後なんですよ…」 「……………」 自分の口許が引き吊ってしまっているのが判る。 …流石に可哀想だ…。 「でも…何で私を最後にしたの?」 「…貴女なら副委員長になってくれると思っていたからです…とても…優しい感じがしましたから…」 「……………」 …何だろう、凄い罪悪感が私の全身を襲っているんだけど…。 「…どうせ僕なんて…うぅ…うぅう…」 遂に冴嶋は泣き始めた。 …ネガティブじゃなくて打たれ弱いのね…。 てかクラス中がドン引きなんですけど。私、完全に悪役なんですけど。 「ヒクッ…グスッ…あぅう…」 とうとう冴嶋は本格的に泣き始めた。 誰か助けてください…って言っても無理よね…。 何か面倒事に巻き込まれている推理の気持ちが少し判ってしまった。
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