3章

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「何の目的が有るが知らないが、早くこの手錠の鍵を渡せ」 「嫌よ」 俺が睨んでも霞雛は素知らぬ顔で見下ろす。 「…何が目的だ?理由によっては━━━━」 カッ!! そう言うといきなりナイフが壁に向かって投げられた。 そして俺の左頬から血が出る…って殺す気かぁ!? 「アンタ…どうやって沙羅をたぶらかしたのかしら?」 …ヤバい、後ろに阿修羅像が…下手したら殺される? 「…いや、たぶらかしたも何も━━━━━」 カッカッ!! 頭上、右頬ギリギリにナイフがまた飛んできた。 …ヤバい、俺を殺す気満々だよこの馬鹿は。 「沙羅は私が変な男に寄り付かないように細心の注意を払っているのよ。 なのにアンタみたいな低能に惚れるなんて…はぁあああ…。 これじゃ意味無いじゃない。どうしてくれんのよ低能」 あからさまにため息をつかれる。 コラ、低能とはなんだ。低能とは。 「ふん、いいわ。沙羅が惚れたのは無理矢理変えられないけどアンタなら変えやすいしね。単純だし」
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