私の初恋

春哉という男

「死んだ…」

理恵ちゃんが休み時間に言ってきた。

〈テストだよね？〉

私はまた紙を見せた。

「テストなんてこの世にあっちゃいけないよ本当に。」

その通りだね、理恵ちゃん…

「あーあ…春哉君みたいな男にナンパされたーい」

春哉？亜紀は驚いた。理恵ちゃんの口から春哉君なんて言葉が出てきたから…。

〈春哉君て高井春哉？〉

紙を出すと、理恵ちゃんは驚いた顔をした。

「…春哉君知ってるの？」

知ってるもなにも…さっき図書室で寝てたよ？と理恵ちゃんに紙で伝えた。

「高井春哉ってこの学校で一番のイケメンだよ！？」

「高井春哉って言った！？」
わらわらと女子が群がってきた。相当人気らしい。

「バスケ部１のイケメンだしぃ～！！」

「彼氏にしたい男アンケートで１番だったし！！」

彼氏にしたい男アンケート？誰が考えたんだそれ…。

「「とにかくイケメン！」」

ずいっと女子たちの顔がアップになった。

…私はうなすぐことしかできなかった。