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「俺の周りには何がある?」
「…………」
「分からないだろう。なら、問おう。君の下には何がある?」
青年が言った瞬間、少女の姿は見えなくなる。
別に驚く必要はない。そうなるように仕組んだのは青年自身だから。
逆に、少女は何が起こったか分からないのかもしれない。落ちた、という情報すら理解していないかもしれない。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない!」
少女がいた位置にある穴を覗き込むと、少女に睨まれる。
思った以上に肝が据わっている。
面白い──と青年は思う。
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