1st client

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「ないじゃんかよ! 連絡先すら記載無しって、 依頼請け負う気ねぇじゃん!」 愚痴を吐き出しながら 辺りを捜索する少年 「ゴンザレスはいいから 会社よ見つかってくれーっ!」 当初と趣旨が 変わってしまっているが 少年はそれ程に必死だった 商店街、住宅街、広場と 次々に目を向けてはみるが あの会社の名は見つからない しかし少年は ある場所に目を止め、 そして慌ただしく動いていた 両足もその場へ止めた 少年の目線の先にあるのは 人一人が通れるかぐらいの 裏路地へ続く狭い道だった 普段ならば目にも 止めないであろうその道は 薄暗く、汚れていた 「そういやぁ、あそこって どこに続いてるか知らねぇ…」 少年は吸い込まれる様に その道へと歩を進めていった 狭き道を躯を少し 横にずらしながらも 先へと進んでいく 着ていた服は埃で汚れたが、 少年は気にしない様子で 辿り着いた路地に立ち伏せた 「こんなとこ…」 _
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