幼女

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そして、この場合の4人とは、俺、姉貴、お袋、親父のことだ。 親父は市役所に勤めていて、普段は事務の仕事をしている。 ……いわゆる公務員だ。 親父は安定した収入を得られるからという理由でこの仕事を選んだという。 当然、安定を求める親父に出世欲はなく、むしろこの仕事が自分の天職ではないかと思ってるらしい。 俺のこの性格は親父から受け継いだのだろう。 相反してお袋は、親父と結婚するまでは歌手の仕事をしていた。 そこそこ人気のある歌手だったらしく、ギャラもけっこうな額だったらしい。 この家は、2人が結婚したときに、お袋の貯金を使って建てたそうだ。 お袋は「小さい頃からの夢だった。生活が苦しくなっても歌手になりたかった」というようなことを言っていた。 お袋のチャレンジ精神はもちろん姉貴に受け継がれているようだ。
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