幼女

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「あるじゃねーか!」 「ほえ?」 例のブツは机の上にあった。 しかもなにもない机の上にぽつんと、それこそ存在を強調するかのように。 「あったー!」 姉貴は机の上にあるくまさんを見て「そんなところにあったとは……」と言わんばかりの表情で驚いている。 そしてくまさんに手を伸ばして、それを幼い体でぎゅっと抱きしめた。 それにしても、このくまの人形、こいつと大きさほとんど変わらないな。 まるで姉妹みたいだよ……。 「よかったな、見つかって」 「じゃあもう出てっていいよーマコトー。これからくまさんとおままごとして遊ぶんだからー」 「はいはい、俺はもう用済みってことね」 「そーゆーことーバイバーイ」 俺はそそくさに部屋を出て、自分の部屋に戻った。 そして何事もなかったかのように、またマンガを読み始める。
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