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体育祭が終わると本格的に受験勉強に入る、はるか。
ある初冬のある日曜日の事……。
由貴が、久々にはるかを訪ねて来た。
「なぁ、はるか?高校は陽明みたいな、このまま、高校に行くのか?」
「由貴兄!!私、大南学院受ける」
「決めたのか?」
「うん。私、大南学院がいい。陽明には、私から話すから」
「わかった」
「父様にも私から話すから」
「わかった。高校はここから通うのか?」
「まさか!!父様にお願いして、アパートかマンションを借りる」
「そっちの方がはるかの為だしな……」
そう呟く由貴。
「由貴兄?」
「いや、何でもないよ」
とそこへ鷹大が帰ってくる。
「ただいま~」
「おかえり、鷹兄」
「何で、由貴がいんだよ!?」
「別にいいだろう?あ、はるか。悪いけど、そこのコンビニで飲み物買って来てくれるか?」
「うん。じゃあ、買ってくるね」
「さてと……」
「何の話しがあるんだよ」
「殴っておこうかと思ってな?」
「はっ?」
由貴は、思いっきり鷹大を殴る。
「ってぇ!!何しやがるんだよ!!」
「身に覚えないとか言うのか?」
「……」
反論できなかった。
鷹大は、今年の夏、妹のはるかに手をだし、おまけに妊娠させて更に中絶までさせていたのだから。
「まさか、お前がこんな行動に出るとはな」
「あぁ、陽明に頼まれた。はるかのとこ行くならバカで節操なしの男を思いっきり殴ってきてくれってな?」
「ったく。あっきーもシスコンだなぁー」
「双子だから、こんなもんだろう……?鷹お前もシスコンだからな、世間から見たら」
「どこ行くんだ?」
「はるか迎えに行く」
外を見ると雨が降り出していた。
その頃、はるかはコンビニで雨宿りしていた。
「あ、雨だ。どうしよう」
とそこへ携帯が鳴る。
「もしもし?」
「はるかか?まだコンビニか?」
「うん。雨が降り出してね……」
「迎えに行くから待ってろよ」
そう言って電話を切る由貴。
それからしばらくして由貴がやってくる。
「はるか」
「由貴兄!」
「待ったか?」
「ううん」
はるかをマンションまで送り届けると、由貴は家に帰って行った。
マンションに帰ると、由貴に殴られ赤く顔を腫らした鷹大がいたとかいなかったとか……。
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