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もうすぐ冬休みというある日の事。
「大南(ダイナン)学院中の陸上部と練習試合?」
「うん。見に行かない?」
「うん。いいけど。珍しいね?」
「あぁ、昔の友人が大南学院中いるんだよ」
「あきより綺麗で早く走るんだよ」
「へぇー楽しみ」
そして、放課後。
陸上部のグラウンドに向かう。
大南学院中の生徒にあすかが声をかける。
「悠也ー」
「おう、あすか」
悠也と呼ばれた少年は、はるかを見るとあすかに小声で訪ねてくる。
(あすか、この女の子は誰だ?お前の彼女か?)
「悠也。紹介するね。この子は、唯月はるかちゃんだよ。んで、あきの双子の妹だよ。はるかちゃん。こいつはね、仲川悠也(ナカガワユウヤ)だよ」
「マジで?なら、兄と同様に成績いまいちなのか?」
馬鹿にしたような、発言にはるかは怒り、悠也をビンタする。
「初対面の人間に対して、馬鹿にしたような発言するなんて、人として最低。あすか、悪いけど私帰るね?」
「あっはるかちゃん!!」
あすかは、悠也を睨みつける。
「悠也?はるかちゃんに、何て事言うの!?はるかちゃんはあきと違って頭いいんだから!!」
「……。マジ?」
「言っておくけど、はるかちゃん怒らせたら怖いよ?」
「謝るよ。取り敢えず」
「今度の休みにはるかちゃんを連れてくるから、きちんと謝りなよ?」
「わ、わかってるよ」
悠也の第一印象は、嫌な奴ではるかに対する第一印象は気の強い女の子だった。
次の休みの日
「えっ?何で!?」
「うん。悠也がね、はるかちゃんに謝りたがってたからね」
「ふうん……」
「唯月さん。マジ、ごめん‥‥!!」
「……」
「ほんとごめん」
「パフェ」
「えっ?」
「あれ、あのジャンボチョコレートパフェ奢って」
「悠也。はるかちゃんはねパフェ奢ったら、許すって言ってるんだよ?」
「えっ?あ、あぁ、ならチョコレートパフェだけじゃなくてクレープも食べる?」
「私、そんなに入らないから」
はるかの機嫌もすっかり直り、悠也と話し込む2人。
「じゃあ、私そろそろ帰るね?」
「何かあるの?」
「うん。昨日、真田先生に言われたの。いくらエスカレーター式でも、もう少し頑張らないとって……」
「大変だな。あきが双子の兄で……」
すると、はるかは苦笑いで答える。
「本当にね?」と……。
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