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そして、年が明け、はるかはあすかや悠也と初詣に来ていた。
「ねぇ、はるかちゃん?あき、高校受かるかな?」
「んー……微妙」
「微妙って……」
「だって、本当の事だし?」
みんなに微妙と言われた陽明はかなり凹んでいた。
「お参りいこうぜ?」
「そうだね!」
神社に向かうが、はるかは振り袖を着ているのと、人が多い事もあり、なかなか前に進めない。
その上、みんなとはぐれてしまった。
「う゛~」
前に進めないでいると誰かがはるかの腕を掴んでくる。
「大丈夫!?」
「へ!?あっ仲川君!大丈夫だよ!」
「見事に離れたね」
「そうだね~。電話も今日はつながりにくいだろうしって圏外だし……」
仕方ないので、2人はさっさとお参りを済ませる。
「はるかちゃん」
「あすか」
「大丈夫だった?」
「平気だよ。人ゴミに飲まれかけたけど、仲川君が助けてくれたから……」
「ふぅん。悠也がねぇ」
あすかとあきは何か言いたそうだったが、あまり気にしないはるか。
そして、4人は神社から出る。近くのカフェで軽くお茶をして、帰って行く。
そして年が明けて、3学期が始まる。
「おはよう~」
「おはよう~はるかちゃん。冬休みの宿題終わった?」
「終わったよ。あきじゃないんだしさ~」
「あき宿題してないの?」
「年明けるまで、忘れてたの!」
「相変わらずだね。あきは」
「本当にね」
そして、月日はあっという間に流れ、1月の終わり。
「あき~。明日、入試でしよう?」
「あぁ……」
「着替え持って鷹兄のとこに泊まりにおいで?」
「えっ?はるか?」
詳しい話しをせずにそれだけ言うとはるかはさっていく。そして、わけのわからない、あきは言われるまま、着替えなどを持って、鷹大のマンションに向かう。
すると、そこには明日入試を控えた陽明の為に作った料理が並んでいた。
「あ、あき。荷物置いたら手洗っておいでよ」
2人は雑談しながら、鷹大が帰るのを待つ。
「ただいま~」
「あ、鷹兄お帰り~」
「はるか、気合い入れて作ったな?」
「あきは明日駄目なら、進学先ないんだし」
「うるせー!!」
「まぁ、持ち上がりで高校に行く生徒にはある程度の融通はきくんじゃない?」
「そう言うはるかこそ、おちるなよ!!」
陽明は、苦し紛れにそう言う。
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