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「ね、鷹兄ってさ、自分の格好がホストぽいて気づいてないの?」
「実はそうみたい。そんなにホストぽい格好したいなら、ホストになればいいのにね?」
苦笑いするあすか。
そして、試験が終わりマンションへ帰っていくはるか。
「じゃあね。はるかちゃん!!」
「うん。またねー!」
そしてマンションの部屋の前に行くと陽明がいた。
「あき?アンタ、何してんの?」
「いや、どうだったかなて思って……」
「私は落ちないよ?あき、おいで。お菓子あるから……。全く風邪引いたらどうするの?」
はるかに小言言われながら部屋に入っていく。
「あー美味しい。あすかはホント、美味しいお菓子屋とかよく知ってるよね」
「あいつの趣味は美味しい飲食店の発掘だからなー」
「そうだね。夕飯食べて行く?」
「いや、いい」
そしてはるかと、話しているうちに鷹大の帰ってくる時間になっていた。
「ただいまー」
「あ、おかえり」
「何だ、あきいたのか?」
「いちゃ悪いのかよ!」
「悪くはないよ。最近のあきはなんかピリピリしてないか?」
「鷹兄。あきはね淋しいんだよ?高校から私とあすかは大南学院に行くけどあきはそのまま高等部に進むじゃない?」
はるかは笑いながらそう言う。
「はるか、余計な事言うなよ!」
「それはそうと、はるか。今日の昼間の態度、アレは何なんだよ!」
「えっ?本当の事じゃない?」
「何を言ったんだ?」
「鷹兄に私の兄はホストなんていないって言っただけ……」
「とうとう言っちゃったのか?」
コクリと頷く。
「鷹兄。気づいてないみたいだろうけどさ、鷹兄の服の趣味お世辞にもいいとは言えない」
「だって、由貴兄わざわざ和君から服借りたくらいだしね」
2人から服の趣味がよくないと言われすっかりへこんでしまった鷹大。
それから、しばらくしてはるかも無事合格した。
そんなある日の夕食中、鷹大の携帯がなる。
「父様かな?」
「かもな。はい、もしもし?何だよ。親父。……はぁ?それで?わかった。はるかに伝えておく」
「どうしたの?鷹兄」
「今度の土曜日な?あきの合格祝いするから帰って来いって」
はるかの動きが一瞬とまる。
「――…。行かなきゃダメ?絶対に行かなきゃダメ?」
「はるか……」
「あ、ごめん……今の気にしないで?」
行きたくないことをポツリと漏らす。
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