第03話

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そして、土曜日。 「ゲホッゴホッ!!」 「大丈夫か?」 「大丈夫だよ」 はるかは、風邪を引いてしまっていた。 鷹大に、無理するなと言われたがそれでも実家に向かおうとするはるか。 そして、車で走る事1時間。 「ただいま」 「おかえりなさい。鷹兄、お姉ちゃん!お姉ちゃん?顔赤いよ?大丈夫!?」 「大丈夫だよ?」 すると澪花がはるかと額をくっつけてくる。 「お姉ちゃん!!熱あるよ!?」 「澪花は心配症だね?」 「夕食まで、部屋で休んでたら?」 「……悪いけどそうさせてもらうね」 部屋に荷物を置き、はるかはすぐに眠りにつく。 「よし!!先に上がらせて貰うぞ」 「お疲れ様でした。会長」 仕事が終わると父親は、急ぎ足で自宅に帰る。 「ただいま」 「父様おかえりなさい」 「はるかは?」 「お姉ちゃんなら、風邪引いてるから部屋で寝てるよ」 「風邪?大丈夫なのか?」 「わかんない」 「様子見てくるよ」 そう言って父親は、はるかの部屋に向かう。 「はるか、起きてるか?」 「父様?」 「あぁ、そうだ」 「お帰りなさい」 「あぁ、ただいま。それより、はるか。風邪大丈夫か?」 「だ、大丈夫だよ」 父親ははるかの額に手を当てる。 「はるかきついなら寝てなさい」 「で、でも……」 「大丈夫だから。風邪が酷くなって肺炎起こしたらそれこそ大変だ。わかったな?」 「――はい」 はるかが部屋で寝ていたくない理由は他にあったが父はそれに気づいていなかった。 「親父、はるかどうだった?」 「寝てた」 具合悪いのなら、仕方ないので、はるか抜きで、合格祝いをする事に……。
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