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桜の花びらがひらひらと舞い散る、春。
―わたしは高校生になった。
慣れない制服に袖を通し、
固い革靴に足を入れる。
「行ってきます!」
当たり前の日常が、今日から少しだけ変わる。
―入学式―
校長の長い話、重々しい雰囲気は苦手だ。
「だるいなぁ」
ボソリと呟いておやすみなさい。
こういう時は寝るに限るよね。
1時間と少し経ち、式典が終わった。
わたしは知らない子と隣に並んで退場する。
赤い絨毯の引かれた道を進むと、そこは真新しい世界。
「高校って、こんなところなのね」
目に映る世界は今までと違っていて、わたしの心を揺らした。
「今日から高校生なんだ」
大人に近付けた喜びと、大好きな中学時代の友人との別れの寂しさを感じつつ、わたしは教室へと足を踏み入れた。
きっと、いい生活を送れる。
そう 信じて。
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