8617人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
電話してから、8分後。
インターホンを鳴らす。
『はい』
電気を通した声が聞こえた。
この機械の向こうで彼女が見ていると思うと照れくさく、返事もせずにオートロックのドアへ視線を移した。
『ガチャ』
ロックが開いた音がした。
と同時に、俺は取っ手を引いた。
エレベーターは1階にあった。
すぐさま乗り込み、彼女の住む階のボタンを押す。
静かに閉まるドア。
俺は足元を見て、ひとつ息を吐いた。
早く、生身の彼女に、会いたい。
最初のコメントを投稿しよう!