悪い、肌。side M.

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  電話してから、8分後。 インターホンを鳴らす。 『はい』 電気を通した声が聞こえた。 この機械の向こうで彼女が見ていると思うと照れくさく、返事もせずにオートロックのドアへ視線を移した。 『ガチャ』 ロックが開いた音がした。 と同時に、俺は取っ手を引いた。 エレベーターは1階にあった。 すぐさま乗り込み、彼女の住む階のボタンを押す。 静かに閉まるドア。 俺は足元を見て、ひとつ息を吐いた。 早く、生身の彼女に、会いたい。
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