悪い、肌。side M.

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  胃が空っぽだったせいか、少しのビールで酔いが回り、眠気がまた襲って来た。 と、同時に触れたい衝動が大きくなっていくのを実感した。 記憶の中の彼女の温度が、胸をざわつかせる。 俺のグラスにはまだ半分ほど、ビールが残ってる。 これを飲み終えるのは無理だな、と思った。 ちら、と目だけで彼女の様子を伺う。 もうグラスは空になりかけている。 さすがだな、と思いながら、俺はゆっくりと体勢を変えた。  
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