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頭を、彼女の太ももに乗せて寝転ぶ。
ソファとは違う感触が頬に伝わる。
拒否されることもなく、彼女は声をかけて来た。
「寝るの?」
「うん…」
俺の答えに、彼女はひとつ息を吐いた。
おそらく、無意識だろう。
飲みに来たくせに、と思ってる?
面倒くさい、と思われていたらどうしよう。
急に不安になる。
怖くて目を開けられないでいると、俺の頭を支え、その下にクッションを置いてくれた。
ソファから立ち上がり、俺の足を跨いでいく。
薄く目を開けると、ベッドに近寄って布団を整え、俺用の枕を準備してくれていた。
「寝るなら、ベッドで寝たら?」
その声色でわかる。
怒っては、いないようだ。
いつものように、彼女は優しい。
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