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「お待たせ!ごめんね!」
重たい瞼をパチパチさせて顔をよく見てみる。
「全然良いよー!どこのお店予約したの?」
私の品定めタイムを紗弥の声が遮った。
「すぐ近くだからみんなで歩いてこ!」
手慣れた儀式のようにシャキシャキとした団体行動で
みんなが同じ方向に歩いて行く。
「今日、アタリだね!」
相手側の幹事と思われる男の子と話している紗弥の後ろで
愛里が私に耳打ちをした。
「うん……アタリ!」
何がアタリで何がハズレなのか
基準が定まってないけれど
愛里がアタリって言うからアタリなんだろう。
そんな私の戸惑いに気付いていない愛里は
特徴的な八重歯をしっかり見せて
ニカッと笑って見せた。
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