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「ドリンク、何にする?」
居酒屋に到着して席につくなり
幹事の男の子が私達を見渡して言った。
なるほど。
名前より先に、ドリンクを聞くのか。
なんてくだらない事を考えているうちに
小ジャレた単語が愛里と紗弥の口から発せられる。
かるーあ、みるく
もす、こ、みゅーる
ふぁじい、ねいぶる
………
どれも、今の私にはしっくり来ない。
「俺ら生で良いよな?」
「あ、俺帰り車だから烏龍茶にしとく。」
男の子達の視線が私に向く。
「麻由香は?何にするの?」
真ん中に座った紗弥が、私に向き直ってメニュー差し出す。
「じゃあ、私も、生で。」
周りからの視線を逃れるように、
机の左端に置かれたボタンに視線を移し、
ゆっくりと、押した。
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