過ち

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「お待たせいたしました。」 左端に置かれた全員分のグラスをまわすより先に ぐいっとビールを喉に流し込んだ。 「ちょっとぉ麻由香!まだ乾杯してないよ?!」 紗弥がさすがに焦った様子を見せた。 「いい飲みっぷりだねぇ!」 真ん中に座った幹事の男の子の台詞でこの場は納まったようだ。 すべてはノリなんだ。 そういう場なんだ、これは。 「じゃあ改めて……かんぱーい!」 控え目にグラスをぶつけあって、じっくりと顔を眺めてみる。 「じゃあ、名前教えてもらって良い?」 そう促されて一人ずつ名前を言って行く。 自分で自分の名前を呼ぶのはどうしても恥ずかしさが残る。 可愛い名前だね、 と言われてもっと恥ずかしくなる。 私の目の前に座っている男の子の名前が大樹、 真ん中に座っている幹事の男の子の名前が翔平、 向かって右端に座っている男の子の名前が達也だと一人ずつ名前を言った。
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