1人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、だいちゃん、しょうちゃん、たっちゃんだね!」
愛里が上目遣いで男の子達に愛想を振りまいている中、
紗弥が私の方をチラッと覗き見た。
"しょうちゃん"は懐かしい響きだ。
2ヶ月前までは毎日のように呼んでいた名前。
「じゃあ俺らもあだ名つけちゃおっかなー」
何事もないような顔を保って男の子達の回答を待つ。
「まゆゆ、さやや、………あいい…?」
大樹君が絞り出すように言う。
「えー?!私の名前超呼びにくいじゃんっ!」
愛里の間髪置かない突っ込みに笑いが起こる。
"しょうちゃん"
頭の中で反復するその単語は、
過去の記憶を呼び起こすには充分な材料だった。
最初のコメントを投稿しよう!