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"しょうちゃん、私の事好き?"
パソコンに夢中なしょうちゃんを後ろから抱き締めて聞いた。
"そんなの、簡単に口にする言葉じゃないよ。"
しょうちゃんは、困ったように笑った。
"じゃあー私のどんな所が好き?"
"………全部。"
"なにそれー全然答えになってない!もっと具体的にさぁー…"
言葉なんて、一瞬の気休めだって
実体のない、曖昧なものだって
分かっていながら
"んー…癒されるとこ!"
そう言って私に体重を預けるしょうちゃんが愛しくて
何度も、何度も聞きたくなった。
"好き?"
もう一度聞いたら
"好き…だ、よ!"
下手くそな棒読みと、
"………んっ"
照れた顔を見せないための、
強引なキスが返ってきた。
とても、
優しい人だった。
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