3人が本棚に入れています
本棚に追加
ばぁちゃんが死んでから
海里はうちで暮らしていた。
学校には行こうとしないから
帰ってきたら風呂は沸いてるし
飯はできとるし
部屋は綺麗やし
すっかり家に居着いた。
けど嬉しかった。
楽しそうに笑う海里が好きやった。
「海里ちゃん寝たな。」
「おん。」
「…すばるくん。」
「んー?」
それはある日突然のこと。
海里が家で暮らすようになって1年がすぎた頃。
「僕な…好きやねん、海里ちゃんのこと。」
「は?」
「すばるくんが海里ちゃん好きなん知ってる。けど好きになってもうたんはしゃあないやろ?」
「は…誰が海里を好きやって?」
「やから、すばるくんも好きなんやろ?」
「好きちゃうわ、妹みたいなもんや。」
隆平はただ黙っていた。
自分でも
きっと隆平も
無理のある嘘やと思ってた。
最初のコメントを投稿しよう!