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「で、海里ちゃんは何でこないな場所に立ってるん?」
やけに明るい声で話し掛けられた。
「…汚い人間が住む街も、上から見たらちっぽけね。」
「せやな…けど、ちっぽけやけどひしめき合ってる。」
「…あたしはひとりぼっちよ。」
「そんなことないよ。」
ありきたりな慰めだと思った。
唯一あたしを必要としてくれていた祖母は、渋谷先生達の治療虚しく病で死んだ。
またあたしはひとりぼっち。
久々に行った学校には
あたしの席はなかった
あぁまたか。
なんて下らない
なんてちっぽけな世界。
「あたしにはひしめき合う仲間はいない。」
「…とりあえずこっち来ぃや。危ないで。」
半強制的にフェンスから引き上げられた。
いとも簡単に体は宙を舞った。
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