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「俺、丸山隆平。渋谷先生の学生時代の仲間。」
「へぇ、そう。」
「信じてへんの?」
「別に、あたしには関係ない。」
でかくて邪魔。
一人にしてほしい。
「やってさー、センセ。」
「え?」
静かに開いた扉から渋谷先生が歩いてくる。
「海里…その…ほんまにごめん。ばぁちゃんのこと…助けてあげられへんかって。」
「……。」
「海里?」
「…別に、先生のせいじゃない。…あんな苦しそうなばぁちゃんなら、早く楽にしてあげた方がいいし。」
「…ごめん。」
渋谷先生は
ばぁちゃんの家の近所に住んでる、
いわばあたしの『お兄さん』だった。
久々に会った渋谷先生は
お医者さんになっていた。
1度すばるに捨てられた時、
あたしはしばらく立ち直れなかったんだ。
大好きだったのに、
あたしを置いていった。
だから……
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