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「だ~か~ら~! ライフマンになって一緒に怪人達と戦ってほしいって言ってんじゃん!!」
昼休みの大教室に響き渡るレイナの声。
珍しくご機嫌斜めである。
「そんな恥ずかしいもんに付き合ってられるか! 大体信用できん。」
今回の適合者、ユウヤは偉く高圧的である。
短髪細マッチョで、甘いマスクに鋭い目つき。
ドきつい性格さえなければイケメンとして持て囃されているところだろう。
「ニュースで見たでしょ? 飲食店やスーパーの食品がすべてご飯にすり替えられる怪事件が発生してるってやつ。あれもおそらく怪人の仕業よ。このままじゃ日本の食卓からおかずが消えちゃうわ!!」
またスケールが斜め上を行く怪人が現れたもんだ、とマスオは呆れた。
「そんなの知るか! 第一お前らが動かなくてもいずれ誰かが解決するだろ。」
ユウヤは冷たく言い放ち、去っていく。
「もう!!!」
「ま、まあまあ」
まるで小学生のように頬を膨らませるレイナをマスオは宥める。
「恥ずかしい・・・か」
ユウヤがそういうのも無理はない。
普通の大学生なら、戦隊ヒーローの格好なんかしたくないはずである。
しかも気難しそうなユウヤのあの雰囲気であれば、ミスマッチもいいとこだ。
「今回は難しいかもね」
マスオはため息混じりに呟いた。
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