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「ご飯事件の犯人はどんな怪人なんだろうね」
学校帰りの道中、マスオは唐突に切り出した。
「事件の内容からして、残忍で凶悪な怪人に違いないわ」
あの事件のどこに残忍で凶悪な要素があるのか問い詰めたかったが、マスオはナチュラルにスルーした。
「でも、ご飯が好きってことを考えると、根は良い奴なのかもしれないッスね」
おにぎりの似合いそうな男、ゴンタはそう言った。
マスオが、二人の抱えているイメージと自分の抱えているイメージが大幅に違うことを理解したその時。
「おまえらぁぁ!!! ハンバーガーばっかり食ってんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
目口手足を生やした弁当箱が、ハンバーガーショップの前で叫んでいる。
「怪人おベントさん! あいつの仕業だったのね」
「なんでさん付けなの?」
目の前の怪人に興奮しているレイナは、マスオの質問が聞こえていない。
「炊飯マジック!!!!」
「お、おれのハンバーガーが、おにぎりに!!」
「バニラシェイクが水っぽいご飯になってるわ!」
おベントさんの所業に客達が騒ぎだす。
「なんて残忍で凶悪な怪人なの!!」
もうマスオは何も言わなかった。
「「「バトル変化!ライフチェンジャー!!」」」
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