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「ご飯事件・・・か・・・・・・・」
右手に持ったエビフライ弁当に目を向けるユウヤの脳裏に、老婆とレイナの顔が交互に浮かぶ。
「どこの誰だか知らんがめんどくさい事件起こしやがって」
ユウヤは吐き捨てる。
しかし、ご飯事件も人生戦隊ライフマンも日川屋が店を畳むことも、ユウヤにとって関係ないことだった。
いや、そう思い込もうと必死だった。
「おい、そこの兄ちゃん」
ふいに聞こえたその声が、ユウヤの足を止める。
「なんだお前は? なんかの撮影か?」
振り向いた先にいた得体のしれない弁当箱に、怪訝な顔をするユウヤ。
「お前、その袋の中にあるのは弁当だな? 何弁当だ?」
ユウヤは一度、日川屋の最後のエビフライ弁当に目を移す。
そして、おベントさんの目を強く睨み付け、
「エビフライ弁当だ。 悪いか?」
と答える。
ユウヤの答えに案の定怒りだすおベントさん。
「エビフライ弁当!!・・・エビフライなんか食ってないで・・・黙って日の丸食いやがれぇぇぇぇ!!!!! 炊飯マジック!!」
突如発狂しだしたおベントさんにたじろくユウヤ。
そして、おベントさんの手から放たれた光が、日川屋のエビフライ弁当を日の丸弁当に変える。
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