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暗闇を抜けると、そこは森だった。
「早速来たわけだね。シンオウ地方に。」
「みたいだな。」
二人は辺りを見回しながら言った。
「さて、早速いろんな所を見に行ってみようか。」
「そうだな。いろんな所を知っておかないと後で困るからな。」
マグマラシがそういうと、ナオキは辺りを見回した。
「それじゃあ…あっちの森に行ってみよう。」
ナオキはたくさんの木がある場所を指差した。
「おう!じゃあ早速行こうぜ!」
そう言うと、マグマラシは一足早く森の中へ走って行った。
「あ、ちょっと待ってってば!」
ナオキは慌ててマグマラシの後を追った。
森の中は静かだった。
「ポケモンの気配、全く感じないな…。」
マグマラシは辺りを見回しながら言った。
「そうだね…。さっきからずっと歩いてるのに全然ポケモンに出会わないよね…」
ナオキはマグマラシと同じように辺りを見回しながら返答した。
二人が目の当たりにしているのは木々や草花ばかりだった。
「レジェンドどころか普通に出てくる野生ポケモンすら出ないなんて…。いったいどういう事なのかな…。」
ナオキは呟くように言った。
二人はしばらくの間誰にも会わないまま森の中を歩いていった。しばらくして二人は足を止めた。
「本当に全く出てこないね…。もう結構歩いたはずなのに…。」
「本当だな。」
二人は既に2時間以上は歩き続けていた。
だが、相変わらず野生ポケモンは1匹も出てこなかった。
「もう少しここを探索してみようか?」
「そうだな。」
そう言って二人は再び歩き出そうとした。
その時…
「…あのう、すいません…。ここどこでしょうか…?」
どこからともなく声が聞こえた。
その声に一足早く反応したナオキは声がしたと思われる方を向きながら言った。
「いや~すいませんが、私達もここに来たの初めてなんです…。ですからここの事はまだよく知らなくて……!?」
振り返った瞬間、ナオキは一瞬固まった。
「ん?どうかしたのか?」
声の主はなぜ彼が固まったのかわからなかった。
「どうしたんだ、ナオキ?」
マグマラシは不思議に思い、ナオキと同じ方を向いた。
「…えっ!?」
向いた瞬間マグマラシも一瞬固まった。
声の主はきょとんとした。
「なんだ二人して?オレの顔に何かついてるのか?」
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