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ナオキはその声の主の姿に見覚えがあるように感じた。
ナオキはすぐ心を落ち着かせ、ガーディアン・トライスからもらった図鑑を広げた。
「…君ってもしかして…。」
「何だ?」
声の主はきょとんとした。
「初対面で悪いけど…君の名前は?」
「オレか?」
声の主は『なんだそんな事か』と思ってるようにあっさり名を名乗った。
「オレの名前は『パルキア』だ。」
「パルキア!?」
ナオキとマグマラシは驚きを隠せなかった。
なんで神と呼ばれてるポケモンがここにいるんだよ、と当たり前のように思ったからだ。
「なんだ?オレがどうかしたのか?」
パルキアはなぜ二人が驚いているのかもさっぱりわからないようだった。
あらためて心を落ち着かせたナオキはパルキアに言った。
「伝説のポケモンである君がなぜここにいるのさ?」
パルキアは少し焦ったような様子で言った。
「いやあよ…実は今日『ディアルガ』と約束があって待ち合わせするはずだったんだ…。けどな…」
パルキアは今に至るまでのいきさつを語った。昼寝をしていたパルキアは起きると、近くにあった時計を見た。
「…あっ、ヤバ!珍しく寝坊しちゃった!」
『ディアルガ』と約束をしていた時に限ってパルキアは寝坊してしまったようである。
「どうする…今から行っても間に合わないぞ。これじゃあいつも遅刻してない『ディアルガ』に笑われちまうぜ…。あいつなぜかいつも遅刻しないんだよなぁ…。」
『ディアルガ』は無遅刻のキャリアがあるようである。
だが、その無遅刻にパルキアは時折疑問を抱く時があるという。
パルキアは考えを思い付いた。
「こうなったら…オレ特有のあの技を使って目的地に一瞬で移動するしかない!」
こう思ったパルキアは早速やろうとした。
しかし、その様子はまるで自信がないような感じだった。
「…今更悩んだって仕方がない。今は早く目的地に着く事を優先しなければ…。」
そう呟いたパルキアは目の前の空間に向かって右手を突き出して大きな声で言った。
「亜空切断!!!」
次の瞬間、パルキアの全身が歪んだ空間に包まれた。
しばらく時空間を飛び、パルキアはその空間内から出た。
「ふ~着いたぜ。待ったーディアルガー!遅れてゴメ…」
ふとパルキアは辺りを見回した。
「…ここ…どこ?」
どうやらパルキアは移動場所を間違えてしまったようである。
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