序章:草原

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彼らが入ると岩壁は再び閉じていった。 彼らはしばらく歩き続けていた。 やがて、向こう側から光が見えてきた。 光を抜けるとそこはさっきいた所とはまるで別世界の空間だった。 真ん中に公園の噴水のような泉が湧いていて、周りはとても広い野原だった。 泉の向こう側にはまるで遺跡のような建物があった。 「ここも変わってねぇな。」 「6年前と全く同じだね。」 2人がそう言うと、どこからともなくまたあの声がした。 「よく来たね、2人共。」 「その声はトライスさん。」 青年は声のした方を向いて言った。 彼の向いた先に幽体の体を持った人間の姿があった。 彼の名は光の守護神『ガーディアン・トライス』。 属性から『トライス・ライト』とも言う。 「君たちも元気そうだね。ナオキくんにマグマラシくん。」 青年の名は『ナオキ』、ポケモンはマグマラシのようである。 「君たちがここを離れてから僕達はずっと君たちにまた会えるのを待ってたんだよ。」 「あれからいろんな所を旅していたんです。ジョウトを基本にカントーやホウエン地方も行きましたよ。」 ナオキはトライスに言った。 「随分と遠い所に行ったんだね。」 トライスは返答した。 「それで話を変えますが、今回ここに呼んだ理由は何ですか?」 「…君たちにまた戦いに出てほしい事があるんだ。」 トライスは少々気まずそうに言った。 「戦いに?」 「そう。また新たな悪の組織が現れたんだ。」 「悪の組織?」 「今度はかなり手ごわいとも言われてるんだ。詳細は今から話すからついて来て。」 そう言うとトライスは遺跡のような建物の方へ向かっていった。
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