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「センセー!助けてぇー」
バン!と勢い良く開いた扉に、柾はびくりと振り返った。
見ればいつもの変わり者が大泣きしながら、戸口でへたり込んでいる。
「皐月、どう…あらら」
皐月は、肌の至る所にぱっちりとした「目」をくっつけている。
手や頬、指の腹にまで小さな目がついていた。
「いくらチャームポイントだからってそんなにつけてちゃ邪魔でしょ~」
柾は皐月の前に座り込み、ぽんぽんと頭を撫でた。
「冗談言ってないで助けてよぉ」
「んー…そうだねぇ」
柾はのんびり元いた場所に戻り、天井を見つめ考えているようだった。
「百々目鬼に狙われたか…それはさておき、おまわりさんトコ行こっか」
はぁ?と皐月は目をまん丸にする。
この目だらけの状態でまた外を歩けというのかこの人は。
此処へ来るまでにどれだけの人に驚かれた事か。
「拾った物は、然るべき手続きによって正しい持ち主に返さなきゃ、でしょ?」
柾は、既に鞄を持ち出かける態勢だった。
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