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「セーンセー!ポットの湯使い切ったら必ず水入れといてって言ってるじゃないですかぁ!」
その柾に「変わり者」と言わしめるさらなる変人が、ばん!と良い音をさせて扉を開いた。
この学生、「茶山皐月(さやま さつき)」は一年前からこの屋敷を出入りしている。
別に血縁者というわけでもなければ弟子というわけでもない…本人は助手の心算だが…学校が終われば此処へ来て、掃除洗濯食事の用意と勝手に全てを終わらせた後、好きな時間に帰るのだ。
家には誰も居ないからと笑う皐月を、柾は好きなようにさせている。
皐月は両親を一年前に亡くしている。此処へ来るようになった原因でもあった。
「もー…ホント、ボクが居ないとなーんにもできないんだからぁ」
皐月はクッキーの缶、「さつき」と丸文字で書かれたマグカップ、水をいっぱいに入れたポットを机に置き、お気に入りの椅子へ座ってゴマクッキーを頬張った時、小さくあっと言った。
「ねぇセンセ、目玉いっぱいってなんなのかなぁ…」
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