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いまでも覚えてることが1つある
父が単身赴任になる日の朝
私はいなくなる父の寂しい顔を
見たくなくって
部屋で必死に寝たフリをしていた
目を呟ってでもわかる
父が頭を撫でてくれる感触
ほっぺにちゅーなんて何歳以来だろう
遠ざかる父の足音に
涙をこらえてるつもりでも
涙が流れるのがわかった
またすぐ会えるのに
私のせいで家族はバラバラになるのに
小学6年生にして
初めて味わう複雑な気持ち
そこから私と母の2人暮らしが始まった
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