新生活すたーと!

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ピピピピッ ピピピピッ 「……ん…」 次の日の朝。 目覚ましがなったのでとりあえず上半身を起こす。 「……ん?」 時計を確認。 たしか俺は昨日の夜、両親を見送るために4:30に目覚ましを設定してたはず…… 現在時刻 7:30 「……いってらっしゃい。」 目覚ましの設定忘れてた。 ま、いいか。起きよう。 「ふっ…」 伸びをするために腹の位置にあった腕をそのまま上へと動かす。 ふにゅっ 「…!?」 突如自分の両腕に当たる柔らかな感触。 それと同時に自分の胸の違和感に気付く。 「これ……え……?」 恐る恐る『ソレ』を掴んでみる。 大きいとは言えない。 大きすぎると肩が凝ると聞いたことがある。 不幸中の幸いというやつか。 「そんなこと考えてる場合じゃ…!」 見ることはできない。 現実を受けとめられない なぜこんなことになったんだ? ありえなくね? 落ち着け。 落ち着くんだ早乙女瑞樹! …そう。 冷静になれ。 落ち着け。 一旦落ち着こう。 これは夢だ。 そうだよ胸の重量感が無いのは小さいからじゃなくて夢だからさ。 とにかくいつもの朝だと思って過ごそう。うん。 いつも通りトイレに向かう。 この場合どっちに行けばいいのかな? そんな事を考えながら歩いていくと、トイレの直前で姿見を発見。 母が出して片付け忘れたのか? なんとなく姿見を覗き込む。 そこに写っているのは、 肩まで伸びた綺麗な黒髪、 大きい眼に可愛らしい口…と、 しかしそれでいて表情にはどこか男の気配のようなものが見え隠れ……。 「見え隠れ……と言うかコレ、女にしか見えませんよ!?」 皆さん、実際にこの状況に対面しないとわからないと思いますが、 実際はこのくらい反応が遅くなります。 もう夢とかうんぬんの話ではない! 「俺、女になってる!!!!」
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